当サイトを宣伝する中で、iDeCoについて考えている人が多かったので、早速お話してみます。

iDeCoとは

 日本語にすると「個人型確定拠出年金」です。年金制度の一つで、個人が掛け金を拠出して運用し、60歳以降に受け取る仕組みです(積み立て期限は65歳、受取期間は60~75歳)。よく似た制度の企業型DCは「企業型確定拠出年金」と呼ばれ、こちらは企業が掛け金を出します。

もくじ(ページ内リンクです)

iDeCoの利点

  • 住民税と所得税の控除
  • 運用の収益に掛かる税金が免除
  • 受け取る時も控除がある
  • ドルコスト平均法で投資できる
  • その他
    毎月差し引かれる金額として意識することができる(支出が制約されて節約につながる)
    資金の運用を意識することで、世界情勢を意識することができる
    初めての投資として優れている

解説していきます。

住民税と所得税の控除

 積み立てたお金は全額所得控除です。控除とは、税金を計算される際に収入から差し引いて計算されることです。控除分の所得税は年末調整で還元され、住民税は翌年の6月分から減税されます。
 控除の例として、2024年10月現在の場合、年収400万円の会社員が年間24万円を掛ける場合、年間の節税効果は36,000円です。

運用の収益に掛かる税金が免除

 株式投資などの金融商品は、利益に対して20.315%の税金がかかりますが、iDeCoの利益分は非課税です。例えば通常の投資の場合、1年間で10万円の利益が出れば20,315円の税金がかかりますが、これが非課税となるわけです。

受け取る時も控除がある

 申告することで一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除の対象となります。節税額はiDeCo加入年数・受取額で変化します。例として、iDeCo加入年数を20年の場合は一時金800万円まで非課税となります。具体的な申告方法や計算方法は、ここで紹介するとスペースを浪費するので、今はやめておきます。とりあえず少し読みにくいですが国税庁のリンクを張っておきます。

ドルコスト平均法で投資できる

 ドルコスト平均法は、購入時期を分割(毎月一定に)することで株価変動リスクを軽減する方法です。iDeCoなどの積み立て投資は、長期投資と分散投資をドルコスト平均法で積み立てることができるので、今現在では強力な投資方法です。

その他

 収入が増えてもお金が余らない、という人は多いと思います。支出はしっかり管理しないと、支出まで膨張するのです(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』/パーキンソンの法則/シリル・ノースコート・パーキンソン/2024年8月21日21:46 UTC)。iDeCoは毎月定額で自動引き落としされるので、その分を確保すれば支出を抑えることができます。
 また、時々運用成果を確認することで、世の中の情勢に敏感になります。世間を広く見ることは、生活に彩りを与えます。投資をすることは、お金を見つめる作業ではありません。
 そして、iDeCoは投資の入口です。ただ銀行に預けておくお金があるなら、その中から投資に回すことも考えてみましょう。もちろん、それは自己判断で行うことで、他人の意見で方針を変えることではありません。ただ、知らないだけでやらないということは、もったいないかもしれません。

iDeCoの注意点

 iDeCoは大きなデメリットは少ない・・・と、よく言われていますが、大事な注意点があります。しかし、だからといってiDeCoをやらないという選択肢はありません。以下に注意点と対策をお話していきます。

  • 60歳まで引き出せない
  • 運用商品の選別が重要
  • 退職金(年金)として課税される
  • リスク商品である

60歳まで引き出せない

 これは大事な注意点です。このサイト内「投資のリスクについて」にも載せています。結論から言うと、株式市場の下振れ時に売って失敗することがある、ということです。
 一番最近の大きな下振れは、リーマンショック(2007年~)で、2年間でNYダウ平均株価が1/2になったという有名な大暴落です。株価が回復するのにその後5年かかりました。つまり、60歳に退職して、iDeCoを引き出しましょう!となった時に、株価が大暴落していれば、元本を割っている可能性すらあります。
 対策としては、iDeCoの引き出し時期は5~10年の余裕を持たせておくことです。今のうちから時々運用益を確認し、60歳で大暴落した時にパニック売り(株価が下がって怖くなって売ること)をしないように、心構えをしておきましょう。

運用商品の選別が重要

 iDeCoに入れておけば大丈夫、というわけではありません。投資の基礎知識を得てから商品の選別をしなければなりません。過去の運用成績や経費率(信託報酬)を確認し、今後も増益する見込みのある商品を選別しましょう。

退職金(年金)として課税される

 もともと控除されるので大きな問題ではありませんが、NISAと違って退職金(年金)扱いなので、課税対象です。引き出し額が大きくなれば課税されることもあるので、注意が必要です。積み立てる目的を明確にしてiDeCoとNISAのどちらを選ぶとお得なのか、よく検討すると良いです。

リスク商品である

 iDeCoもリスク商品で、掛け金を下回ることがあります(元本割れ)。ただ、iDeCoは長期投資で分散投資なので、下振れリスクはかなり軽減されることでしょう。例えば、バブル崩壊や新型コロナウイルス、リーマンショックが比較にならないほど深刻な問題が出現した時は、お金の価値も含めて多くの物の価値が保証されないでしょう。そう考えれば、iDeCoの下振れリスクは、大きな問題ではないと考えられます。

掛け金について

 iDeCoはの掛け金は、最低5,000円から1,000円単位で掛け金を設定します。上限額は以下のように、公的年金の被保険者の区分やその他の年金の有無で異なります。

第1号被保険者:68,000円/月

 国民年金基金や国民年金の付加保険料も合算されます。

他の企業年金に加入する第2種被保険者や公務員など:20,000円/月(2024年12月~)

 ただし、55,000円から「その他の企業年金」を差し引いた額が上限となります。
(2024年12月以前は、企業型DCのみの加入者が上限20,000円、企業型確定給付年金などに加入する会社員は上限12,000円です)

企業年金に加入していない第2号被保険者と専業主婦(夫):23,000円/月

 専業主婦(夫)の場合、所得がなければ掛け金の所得控除はありません。

その他の年金制度

 iDeCoはよくNISAと比較されますが、実は関係ありません。iDeCoは年金の仲間で、NISAは非課税の投資枠そのものです。ここでは、投資の話から少し離れて、日本の年金制度に少し触れて今回のお話を終わりにします。

 日本の年金制度は以下のようなものがあり、3階建ての構造と呼ばれています。

  • 基本:国民年金
  • 2階建て:厚生年金
  • 3階建て:国民年金基金・確定給付年金・企業型DC(企業型確定拠出年金)・iDeCo(個人型確定拠出年金)・その他

 国民年金は、全国民に加入義務があります。2階建て部分の厚生年金は、会社員や公務員の上乗せ年金。3階建て部分が、個人や企業が任意に加入する年金です。このように、iDeCoは年金制度なので、NISAの仲間と考えるとややこしくなります。NISAとiDeCoのどちらを利用すればよいのか分からない、ということにならないように明確に区別しておきましょう。

まとめ

 iDeCoで老後資金を確保することは有意義です。しかし、必ず元本が増えるという保証はありません。最近は安易に投資を勧める話が非常に多いですが、何も知らずに安易に行うべきではなく、投資の基本的な知識は獲得する必要があります。それに、iDeCoは簡単と言っても、運用商品は自分で選ばなければなりません。投資の基礎知識がなければ、商品を選ぶことすらできません。
 このサイトでは、これからも様々な情報を発信していきます。基本的な知識はサイトのリンクメニューから、最新の情報や細かい情報は、投稿記事として掲載します。私も勉強しながら作っていきますので、皆さんもぜひ見に来てください。